恋するロミオ (46)

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6 - 名前が出りゅ!出りゅよ! 2014/07/18(金) 01:19:06 ID:aCApkZNg

「ははは、ジュリエット先輩か。面白いな」
先生だけではなく他の先輩方も笑う。
「うん、これからはジュリエットと呼ぶことにしようか。ジュリエット、可愛いもんなー。にひひ」
また爆笑が起こる。俺以外の一年生も笑っている。
俺のとっさの失言のせいで、先輩のあだ名がジュリエットになってしまったようだ。申し訳ない。
で、当のジュリエット先輩は恥ずかしそうに照れながら笑っている。
やっぱり可愛い。
この後、残りの一年生も自己紹介をし、それが済むといきなり「演劇の体験」ということで劇をすることになった。
いやいやいきなりそんなの無理でしょと思ってあたふたしていると、あのショートカットの女の先輩―名前は稲垣といった―が肩をポンポンとたたき
「少年、心配するな。案ずるより産むが易しというだろう?にひひ」
とかなんとかいって励ましてくれた。
まあ、「体験」という名目だしせっかくの新入生だからおそらく失敗しても怒られるなんてことはないだろう。
稲垣先輩は俺に台本を渡すとまた「にひひ」と笑って言う。
「よし少年、君には憧れのジュリエット先輩を抱きしめる権利をあげよう」
「ええ、ちょっと待って下さいよ。そんな、いきなり」
「恋人同士の役でハグしあうだけさ」
「でも、でもでも」
「まあまあ、これは演劇なんだから仕方ない仕方ない。役得だよ少年、うんうん」
「うーん、はい……」
まったくなんなんだこの先輩は。いきなりからかい始めて……。
と心のなかで悪態をついてみるものの、その内心はとても嬉しかった。
好きな先輩を抱きしめる?そういう役なら仕方ないじゃないか。
と自分でも納得して演技にのぞむ。
で実際はいっぱいいっぱいで先輩がどんな抱き心地だったかも覚えてないのだが……うーん情けない。