恋するロミオ (46)

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4 - 名前が出りゅ!出りゅよ! 2014/07/18(金) 01:17:06 ID:aCApkZNg

翌日。高校生活を決定する(と勝手に俺の思っている)部活選び、部活説明会の日だ。新入生一同が体育館に集められ、
各部活の代表がステージで説明とその部活の実演をしてみせる。
剣道部はステージの上で奇声を発しながら竹刀で叩き合っているのだが……あれで入ってみようと思う新入生はいるのかな。
ラグビー部はタックルの実演とかいうのをやっているが、いやいや、あんなことをやっていたら年中怪我しちゃうじゃないか、実演の演目考えたほうがいいんじゃないか。
美術部なんかコンクールに入賞した部員の絵とやらを持ってきたのだが、ステージの上じゃ小さすぎてよく見えない。
目を凝らせばなんとなく見えるのだが、それもなんていうかいわゆる「前衛的」な絵で意味がわからないのだ。
木から目玉がにょきにょきと生えてそれを見ている男も目玉を飛び出させて驚いている。
ああいうのをみて意味がわかるやつだけが入ればいいと美術部は思っているのだろうと勝手に一人で納得した。
あんまり入りたいと思う部活がないなぁと思いながら次々と繰り広げられていくステージ上の部活紹介を眺めていたとき、俺の体を電流が流れた。
それは演劇部の紹介だった。彼らは短い説明のあと
「ステージは僕達の主戦場ですので、実際に見ていただくのが早いと思います」
といい、演技を始めた。
演劇にはあまり詳しくない俺でもわかったのだが、それはシェイクスピアの『ロミオとジュリエット』で、その中でも恐らくは一番有名なあのシーン
「ああ、ロミオ、どうしてあなたはロミオなの」
の部分であった。短い1シーンであったが、俺の心はそれにしたたかにうたれた。目が離せなかった。許されざる恋、叶わない恋、なんて切ないんだ。
その切なさが凝縮されていた。そしてなによりも、その『ロミオとジュリエット』のジュリエットに俺は心を奪われていた。

紛れもない恋であった。