11 - 名前が出りゅ!出りゅよ! 2014/07/18(金) 01:23:52 ID:aCApkZNg
俺が自分の弟に恋をしたのはいつからだろう。
いつの間にか、厚史の可愛さに心を奪われ恋をしてしまったのだ。
厚史の優秀さは俺の心をすべて奪った。
俺が高校入試に失敗し浪人している間に、厚史は見事その高校に合格し、弟でありながら先輩になってしまったのだ。
「今日から兄さんも高校生だね」
と厚史が言ったとき、弟に自分も認められたと思って嬉しかった。
「僕と同じで兄さんも」と言われたら喜ぶに決まってるじゃないか。
兄である俺が恋するほどだ、やはり女の子にもてて彼女もいるらしいが、その彼女とやらに嫉妬してしまう。
厚史と付き合えるなんて、なんてうらやましいんだ。
厚史は高校に入るとそれまで部活でやっていたサッカーではなく演劇を選び、そのことは俺も知っていた。
だから、演劇部の説明に厚史が出てきたのは別に驚かなかったが、さすがに『ロミオとジュリエット』で女性である「ジュリエット」役をやらされているとは思わなかった。
「ジュリエット、可愛いもんなー」と言っていた稲垣先輩の口ぶりからして、半ばネタとして男である厚史が抜擢されたのだろう。
しかし、あのジュリエットをみると俺の厚史への愛はますます激しさを増してしまったのだ。
『ロミオとジュリエット』が扱う「禁断の恋」というモチーフも兄弟間の恋という禁断を是認しているような気がした。