1 - 名前が出りゅ!出りゅよ! 2014/07/18(金) 01:13:56 ID:aCApkZNg
俺の名前は唐澤貴洋。どこにでもいる平凡な高校生。
いや、それはあまり正しい言い方ではないかもしれない。
俺は今日から高校生になるのだ。そう、今日は俺が入る高校の入学式。
新しい出会い、新しい人生の門出。どんな高校生活が俺を待っているのだろうか。
期待と緊張で今日は早く目がさめてしまった。
部屋でゆっくりと身支度を整えリビングに行く。
そこでは、弟が既に起きていて朝食をとりながら新聞を読んでいた。
「あ、兄さん、起きたのかい」
「ああ、うん」
俺は少しはにかみながら応える。
「今日入学式だからね」
「あはは、そうだね。今日から兄さんも高校生だね」
弟は読んでいた新聞をたたみ横に置き、俺に笑いかける。
この弟の名前は厚史。俺の弟ながらよく出来たやつだ。
性格も温厚でいながら積極的、運動もできて、顔も少し身内びいきが入っているかもしれないが端正、というよりもむしろ可愛い。
中学のサッカー部ではレギュラーでエースだったと聞いている。女子にもてるらしく彼女も既にいるという。ははは、嫉妬してしまうな。
それに何よりも頭もよくて―――いや、この話は今はやめておこう。
「新入生は早めに登校しなくていいのかい?」
「入学式案内によると逆みたいだ。新入生は9時集合だって」
「へえ羨ましいなあ」
厚史は少し考えこんで話を続ける。
「まあ早めに行って友達を作ったほうがいいんじゃないの?それに、かわいい子とかいるかもしれないし」
おいおい、何を言っているんだ厚史は。別に俺はそういうのを目的に高校に行くわけではないのに。それに……。
「ん?なんだよそんなショボくれた顔して。兄さんらしくないじゃないか。まさか、自分には彼女なんてできないとか思っているんじゃないか?」
「いやそういうことを考えているわけではなくて」
と俺は適当にはぐらかした。まあ、高校に入って新しい恋をするのもいいかもしれないな。
うん、いかにも青春っぽいぞ。そういえばと気になって俺は厚史に気になることをたずねてみる。