4 - 糞豚たかにゃん 2014/07/17(木) 20:38:15 ID:/DYLcxv6
たかにゃんは汚い。椅子に座ってご飯を食べられない。お尻が重いから、椅子に座るとずり落ちそうになる。だから机にしがみつく様にしてご飯を食べている。
たかにゃんの丸い体を支える腕の震えが、食卓に伝わって食器をカチャカチャ鳴らす。家族の顔がかすかにしかめられるけど、たかにゃんも必死だ。今だって、フォークの先で皿の上のミニトマトを追いかけている。でも追いつかない。たかにゃんの短い腕の先で、ミニトマトがたかにゃんをあざ笑っている。
そしてたかにゃんが大きく腕を振った時、ミニトマトが机の端から消えた。慌てて追いかけたたかにゃんの身体も椅子から転げ落ちる。しがみついていた腕が、机の端にひっかかる。
耳を打つ重い音。体を打つ鈍い痛み。たかにゃんはしばらくして、床に転がる自分に気がついた。
次いで、自分の周りに漂ういい匂いに気がついた。先程まで食卓の上に並んでいた料理が、たかにゃんを慈しむかの様に降りかかっていたのだ。ふと、たかにゃんは自分のそばにあのミニトマトが転がっているのに気がついた。ミニトマトはまるで胸を遥かの様に照り輝いている。たかにゃんは体を包み込むいい匂いに何だか嬉しくなって、両の手のフォーク、二つに割れた蹄を振り回した。
たかにゃんは最後まで、倒れた机も家族の顔も見なかった。