6 - 後ろの人視点2 (sage) 2014/07/14(月) 03:30:49 ID:GUGA8EvE
それは、まさに地獄の光景でした。あるものは悪臭に表情を歪ませ、
あるものは脱糞しておきながらどこか誇らしげな彼をただただ呆然と見つめ、またあるものは彼に畏怖し顔を背けました。
慟哭のこだまするバス車内で、彼だけが、彼ただ一人だけが、平然とフライドポテトをほうばり続けていました。
私には分かりませんでした。脱糞しておきながら、どうしてすまし顔で食事を続けられるのか。
どうして、こんな目に合わなければならないのか。どうして、こんな苦痛を受けなければならないのか。
私はただ、ただただ彼と同じバスに乗り合わせただけなのに。無事、福岡へ辿り着くはずだったのに。
私は助かりましたが、彼の近くに居た何人かは残念ながら亡くなりました。
彼は最後まで、薄ら笑みを浮かべ、ただただフライドポテトをまるで機械のように口へ運び続けていました。
――バス後方の乗客より