唐澤貴洋「ああああああああああああ!!!」 (7)

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2 - 名前が出りゅ!出りゅよ! 2014/07/03(木) 20:27:08 ID:4edbpq0I

そう思った時、当職の手元にはいつの間に鋭い出刃包丁があった。
そして当職は、決心して家の前に戻った。
「殺らなきゃ殺られるナリ…」
当職の頭の中にはその言葉だけが渦巻いていた。

そして家に入った。後ろに出刃包丁を隠して、まず父の後ろに忍び寄る…。
その時、弟の声がした。
「お兄ちゃん!何持ってるの…!?」
しまった!バレた!当職はあせり、とっさに父洋をメッタ刺しにしたのだ。
「ギャアアアア!」
父洋は、のっぺらぼうの顔のまま、背中から大量の血を流し、死んだ。
のっぺらぼうだから、死んだ時の表情は見えない。苦痛は少し軽減した。
当職は少し恐怖心もあったが、殺ってしまったプレッシャーに勝てず、続いて弟もグチャグチャに刺して殺した。
弟は、少し足をジタバタして、それから息絶えた。

そして当職は一番憎たらしい母がいる、台所へ向かう。母は、背を向けてまた何か作っている。
当職は憎しみを込めて、母の背中を『ザクッ』と刺した。
…母は、声をあげず、震えながらゆっくり振り向いた。

………え?

のっぺらぼうじゃない…母の顔だ…。
母は、苦しそうにして、当職にただ一言残して、息絶えた。
「ごめん…ね…」
その台所には、大きなケーキが一つ。
真ん中に乗ってるプレートには、
『唐澤貴洋 たんじょうび おめでとう』
と、母らしい乱雑なつなげ字で…。

当職は急いで父洋たちの所へ行った。
父洋も、弟も、のっぺらぼうなどでは無く、何が起きたのかよく分からないような表情で、何か悲しそうに、口から血を流して死んでいた。

弟の手には、まだスイッチが入ったままの、思い出のゲームボーイが、電子音を鳴らしながら動いている。

「あああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!(ブリブリブリブリュリュリュリュリュリュ!!!!!!ブツチチブブブチチチチブリリイリブブブブゥゥゥゥッッッ!!!!!!!)

当職は絶叫して脱糞した。
当職は…ただ一つの大事な家族を…当職の手で…みんな…!
当職は、頭を抱え、顔を手で覆った。脱糞が止まらなかった。
当職が見ていた顔は…幻覚だったナリか…?
本当は…みんな…こんなに当職を思ってくれてたんじゃないか!
当職は、気付くのが遅すぎたナリ…。

そして目が覚めた。当職はやっぱり泣いていた。
一瞬あせってすぐ居間に行ったら、いつも通り家族全員いる。
…よかった…当職は何て夢を見てしまったんだ。

それから反抗期も去り、家族を嫌う事は無くなった。
しかし、その2年後、母は急に発作で亡くなってしまった。
何と、その日は偶然にも、俺の誕生日だった。
そして、母が死ぬ直前まで作っていた手作りケーキを、父に見せてもらった。
そのケーキの真ん中に置いてあるプレートには

「唐澤貴洋 たんじょうび おめでとう」

と書いてあった。
そのケーキは、あの夢に出てきたものと、全く同じものだったのだ。