唐澤貴洋「ああああああああああああ!!!」 (7)

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1 - 名前が出りゅ!出りゅよ! 2014/07/03(木) 20:26:30 ID:4edbpq0I

当職は学校から帰る途中だった。
その頃はかなりの反抗期で、親、いや家族全員が、当職にとって邪魔者という感じだったのだ。
母はいつもおせっかいがうるさくて、何よりしつこい。弟も弟で用水路に流したいくらいウザい。
父洋はまだ何も言わない方なのだが、母がいる時だけに限って厳しくなる。そんな家族に、当職はだんだん嫌気がさしてきたのだ。

そして家に帰る。
「唐澤貴洋、おかえりなさい。ご飯できてるわよ」
「いらないナリ」
そう言って当職は部屋にこもった。
いつもの事だ。イライラし過ぎて腹も減らない。当職はベッドに入り、一人憂鬱になっていた。

そして寝ようとした時、当職の部屋のドアが開いた。
何故か家族全員いる。
しかもみんな当職を見て、いかにも作り笑いという感じでニヤニヤしている。

…もうイヤだ、本当にウザいナリ。
当職の眠りまでを妨げる気なのか?…もう…イヤナリ…。

すると母が言った。
「ねぇ、ねぇ、明日…」
「ウゼーナリ!毎日毎日…!お前等の顔なんて二度と見たくないナリ!早くドア閉めろナリ!」
当職はついにキレた。家族は悲しそうな顔をして、ゆっくりドアを閉めた。
「はぁ…」
当職は、再びベッドに潜り、眠りについた…。

気付くと朝になっていた。
どんなに家族の顔を見たくなくても、やっぱりメシは食わなければ死ぬ。当職はしぶしぶ居間へ行った。
母は台所で朝メシの準備をしている。父洋は新聞を広げて読んでいる。弟は朝からテレビに向かってアニメか何かを見ている。
当職は母に聞いた。
「メシはまだナリか?」
母は振り返った。
………当職は言葉を失った。
…母の顔が無い。
まるでツルツルののっぺらぼうの様な…。
「もう少しでできるわ」
「あああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!(ブリブリブリブリュリュリュリュリュリュ!!!!!!ブツチチブブブチチチチブリリイリブブブブゥゥゥゥッッッ!!!!!!!)」

当職は絶叫脱糞した。それに驚いたのか、父洋も弟も振り返って当職を見てきた。しかし、二人とも、やはりのっぺらぼうだ…!
「どうした?」
「お兄ちゃん、大丈夫?」

当職は怖くて、急いで家を出た。
そして、しばらく走り続けた。
「ハァ、ハァ…」
息を切らすと共に、心臓は驚きの為かバクバクと鳴っている。
「あいつら…化け物ナリ…!何で顔が無いナリか…!?街行く人たちはみんな普通の顔ナリ…!」
当職の心は恐怖に蝕まれた。
あんなの…人間じゃないナリ…!
あんなのと、これから一緒に暮らせるわけがないナリ…!
あの化け物たちに、何されるか分からないナリ!
当職の心は、だんだん黒く染まっていった。

「殺らなきゃ殺られるナリ…!」