3 - 名前が出りゅ!出りゅよ! (sage) 2014/06/04(水) 23:35:00 ID:9ipQKJ7A
お嬢さん。お嬢さん。
貴方は知ってますか。愛を。
私はもう理解していた。その男の話が紛れもなく目の前にいる人間だと。
私が取る行動はもうひとつしか考えられなかった。頭の中が警鐘で鳴り響く。
この男といると危ない。
そ脱兎のごとく飲み物やトレイをそのまま置いて、カバンだけ持って逃げた。
振り返らない。振り返ると私が逃げた距離が台無しになる。そう感じた。
夢中でショッピングモールを出て、やっと空を見上げた。
日差しがまだ強い。明るい空に心底ホッとした。
さっきの空間は白昼夢に違いない。きっとそうだ。
そんな私は安全地帯に帰ってこれたと確信したところ、
低い息が漏れるような声が背中の後ろから聞こえた。
空の色は何色か。
たまらず私は振り返ったがあの男はいませんでした。
あれ以来一人でショッピングモールへは行っていません。
どなたか私と似た体験した人はいませんか。