2 - 名前が出りゅ!出りゅよ! (sage) 2014/06/04(水) 23:23:32 ID:q8jNn61Q
私の目の前にいるこの男がますます非常に不気味になり、恐る恐る上目で見ました。
なんと、男は首が折れてしまいそうなぐらい横に傾けて私を凝視していたのです。
私はもう体の毛が全て逆立って、思わず手に持っていた本で顔を覆いました。
視界を塞ぎ動悸も安定を得たかのように思われましたが、そこにまた追い打ちが来たのです。
お嬢さん、お嬢さん。
聞いてくださいお話を。
男はどこからそんな高い声を出せるんだというような割れるような音で喋りかけてきたのだ。
耳が拒絶するも、私はもう動けない。
男は続ける。
愛を知りたいだけの男が一人いて、皆に教えてもらおうと聞いて回る。
だけどみんな教えてくれない。
ある日、男は合点がいった。本当は皆が知らなくて自分が知ってるんだ。
だから今は教えて回ってる。けれどまだ愛を理解して生きているのは男一人のみだ。