1 - 名前が出りゅ!出りゅよ! 2014/06/04(水) 16:02:38 ID:GisS041Q
まだ六月に入ったばかりだというのに東京23区では気温が30度近くを記録する真夏日が続いていた。
もちろん当職の事務所も例外ではない。例年よりかなり早めにクーラーを起動させたが、骨董品クラスのオンボロからは気休め程度の風がへろへろとそよぐだけであった。
寝ぼけて季節を間違えた太陽はこれでもかとばかりに太陽光線を惜しみなく事務所周りのアスファルトに注ぎ込む。地面は焼けた鉄板へと変わり、暑さから解放されるエデンである事務所はそれによって巨大な蒸し器へと変貌する。為す術もなく当職は蒸し焼きにされる豚となってしまうのだ。
この事務所へ来たばかりだというのにきっちりと着込んだワイシャツの下はもうぐっしょりと汗をかいている。ネクタイを少し曲げて第一ボタンをだらしなく外しながら冷凍庫へと足を運ぶ。そう、当職に安息を与えてくれるアイスクリームをたっぷり詰め込んだ特大サイズの冷凍庫だ。