2 - 名前が出りゅ!出りゅよ! 2014/05/31(土) 00:24:36 ID:u1n7g/Nw
僕の心は打ち砕かれた。
期待が大きかっただけに、絶望も一入だった。
この気持ちをどうしていいか分からなかった。
帰り道、夕闇迫る街で途方に暮れ、気が付くと僕の脚は自宅近くの薄暗い森の方へ歩んでいた。
明日からまた馬鹿にされると思うと、また当職への権利侵害が行われると思うと、
もう生きていけない、死のう。そう思った。
(当職は独りナリ・・・生きていてもいいことなんてないナリ・・・)
遊歩道から外れ誰もいない森の中へ分け入っていく。
薄ら寂しい森の雰囲気も手伝って、いよいよ胸が張り裂けそうに寂しくなってきた。
遊歩道も遠く見えなくなったところで歩みを止め、僕はそのままその場にしゃがみ込んだ。
木々の葉が擦れるざわめきと、虫の声だけの静かな森の中。
するとどこからか、獣のような声なき声が聴こえてくるではないか。
僕は少し恐れをなしたが、木の陰に潜んで、恐る恐る声の方を見遣ると、木々の茂みの中、二人の黒い人影が蠢いている。