7 - 名前が出りゅ!出りゅよ! 2014/05/06(火) 16:14:03 ID:unvrWOwk
厚史少年の子供なりのやり方というのは一体どのようなものなのでしょうか。
彼の知恵や勇気は、私たちの想像をきっとこえてくれることでしょう。
さて、その答え合わせをする前に、舞台は練馬区のある住宅街へとうつります。
夕暮れ時の道路、ときおり風が吹いて舗装されていないそれの砂を巻き上げます。
そんな道路で、4人の子どもたちが追いかけっこをして遊んでいます。
そのうち3人は短パンをはいた男の子ですが、あとの1人はおさげをして髪の毛の長い女の子です。
男の子たちが泥やほこりがついて、男の子の勲章のように汚れている服を着ているのに対して、
女の子の方はきれいなスカートを履き、上に着ている洋服も、まるで銀座のガールが着ているような
お人形さんが着ていてもおかしくはないものです。
きっと、この女の子の家もお金持ちなのでしょう。
やがて、この子どもたちは遊び疲れたのか解散をし、めいめいが家に戻っていきます。
女の子も1人、自分の家の方向へと歩いていきます。
しかしお金持ちの女の子が1人というのは心配です。
そうです、あの暗黒弁護士がいつ現れるかもしれないのです。
女の子はあたりをキョロキョロと見回しています。やはり、恐ろしいのでしょうか。心配なのでしょうか。
道路には近所の人も誰も出ていません。もし、こんなときに暗黒弁護士がさらいに来たら一巻の終わりです。
と、その時、なにやら自動車のエンジン音がどこからか聞こえてきました。
少しずつ女の子のもとへ近づいているようです。
彼女はあたりをうかがうように周りを見渡します。道路の向こうから車の影が近づいてきました。
車は夕闇にまぎれて、砂埃を巻き上げつつ女の子に近づいてきます。
ああ、もしこれが暗黒弁護士だったらどうしたらよいのでしょうか。
私たちの心配が杞憂で終わればいいのですが。
(続く)