4 - 名前が出りゅ!出りゅよ! 2014/04/25(金) 01:40:09 ID:3JfS5oW.
「これが私の弁護士だ。さあ、反論したまえ」
H氏は勝った様子で店番に言い放つが、しかし店番は首を傾げている。
「はて、弁護士とはどこに」
「ここにいるじゃないか。君の目の前だよ」
「いやしかし私にはお客様の姿しか見えませんが」
H氏はどきりとして弁護士の方を見る。
たしかに小太りですこし笑みを浮かべ頬を染めているが、それがすこし人間ではない印象を与える。
もしかしてこれが悪魔なのではないか。
そういえば悪魔は黒いというが、この弁護士も黒いスーツを着ている。
悪魔が私をからかっているのだ。
そう考えたH氏は悲鳴を上げながら家に走り帰ってしまった。
「やれやれちょろい商売だねこれは」
「当職のことを勝手に悪魔だと考えてくれるなんてね」
店番と弁護士が話している。
「クズみたいなやすい壷を少し値段を上げて安く売るだけさ」
「後は当職がもう一回あの家に行って脅かしてやればいい」
「そうすりゃ勝手に更に金を献上してくれるんだから」
「普通に稼ぐんじゃなかなかうまく行かないからね、こういうことも必要さ」
「本職の弁護士業でも同じことやればいいじゃないか」
「もちろん、もう同じようなことはやってるよ。簡単な仕事だね」
そういう世の中なのだ。