2 - 名前が出りゅ!出りゅよ! 2014/04/25(金) 01:29:45 ID:3JfS5oW.
家に帰ったH氏は、早速とばかり壷を床に叩きつけて割ってしまう。
壷の破片が散乱する。
しかし何も起こらない。
予想通り騙されたのだと気づいたH氏は、とりあえずさっきの店に文句を言おうと再び出かける用意をする。
と、そのとき家のチャイムがなった。
一体誰だろうとドアを開けると小太りの男がいた。
「当職は弁護士をやっております。さて、なにかお困りではないですか」
「いや、特にはないが」
「おやおや、そちらに壷が割れていますね。なにか困りごとがあったのではないですか?」
ふむ、と考えたH氏は、そうだこの弁護士を連れて先ほどの店へ行き
文句をつけてやろうと考え、そのことをこの弁護士に話した。
「わかりました、当職にお任せください」
「ところで費用はいくらかかるのかね」
「いえいえ、ただで行っております」
ふと怪しさを感じたH氏であったがとりあえず頼むことにする。
広場にはまだ先ほどの店はあり、店番に文句をつけた。
「やいやい、さっきの壷だがなんだあれは」
「え、そうおっしゃいますと」
「悪魔なんて出てきやしなかったぞ、嘘つきめ」
「おかしいですねそんなはずは。まさか」
「まさかなんだというのだね」
「もしかして割ってしまったのではないですか」
「割ったら悪魔が出てくるのではないのかね」
H氏が苦情を言うが、店番はのらりくらりとかわして答える。
そこに弁護士が割って入りH氏の主張を繰り返す。