1 - 名前が出りゅ!出りゅよ! 2014/04/18(金) 01:41:14 ID:H91nN5fc
午前一時。家に明かりはなく、音も冷蔵庫の低い唸り声が響いているのみ。
今や、眠りと静寂とがこの唐澤家の家主となっていた。
そんな中突如として大きな音が響く。これに目を覚ましたのは洋である。
嘆息する。またはじまったかと気を落とす。
ふんどし一丁で乳首には洗濯ばさみという、彼が小学生のときに見出し以来60年以上続けている彼独自の安眠スタイルのまま部屋を出る。
隣で眠る妻厚子の口に舌を入れ、ジュビュルルッジュバッポヌニュポプリュといういつも通りの接吻は欠かさない。
音はは上階、息子貴洋の牢から聞こえた。
再び嘆息。仕方ない、これが父親の責務なのだ。眠い目をこすりながら階段を上る。
ふんどしからはみでた一本のコードとその先にぶら下がったローターのスイッチが宿主の歩調に合わせて揺れていた。
貴洋は生まれた時から障害を患っていた。無脳症であったのだ。
それでも生きるために必要な機能は保持され、36歳になるまで唐澤家の牢で生き長らえているのだ。
奇跡であった。無脳症は通常はすぐ死ぬ。脳がないのだから仕方がない。
ところが貴洋の場合は違った。彼はどういうわけか知らないがこれまでずっと生きている。
ときたま意思をみせるのだ。あれがしたい、これをしてもらいたいと訴えかけてくるのだ。
洋にはそれがすべて分かった。父親であるがゆえの不思議であろうか。
貴洋の牢に入る。全裸で横たわる息子を見つめる。そうして、おもむろにその陰部をなめはじめる。
皮を被ったそれも、やがてムクムクと膨らみもっと舐めてもっとしゃぶってと自己主張を激しくする。
これが息子の求めていることなのだ。少なくとも洋はそう考えていた。
貴洋が射精するまでフェラチオを丹念に行う。これこそ父親としての責務なのだ。
洋は涙する。その意味は自分でもわからない。
そもそも自分は息子をどう思っているのだろうか?
愛している?哀れだと思っている?
駄目だ。そんなことを考えては駄目だ。雑念を振り払い、毎日してきたように舌を動かす。
ごめんな……ごめん……
唾液と陰茎が絡まる音にかき消されながらも、陰茎をしゃぶりながら洋は無意識にそんな言葉を口にしていた。
サイド:洋 終