188 - それでも動く名無し (アウアウウー 106.133.119.168) 2023/02/04(土) 17:53:33.76 ID:vhO+zqvIa
順風満帆を絵に描いたように見える武豊の騎手人生だが、当然のこととしてつまずきは大小あった。中でも精神的に最もきつかったのは、'91年の秋の天皇賞だったと思われる。大本命馬メジロマックイーンを駆って、6馬身という決定的な差をつけての1着ゴールから、最下位の18着に降着した事件だ。サンスポ競馬記者だった私は、武豊のヒーロー原稿を書くために検量室前へ駆け下りたが、室内の雰囲気はまさに異様だった。そのざわめきから、メジロマックイーンが最初のコーナー(特異な形状の2コーナー)を内側に切れ込むように回ったタイミングが早く、後続馬が大きな影響を受けていることがわかった。
意外なことに、降着処分を「厳し過ぎる」と言うジョッキーは皆無で、岡部幸雄の「落馬がなかったのが不幸中の幸いというだけ。武豊君も弁解の余地はないだろう」という声を代表として、最も大きな影響を受けた本田優の「救急車に乗っていないのが不思議なくらい。豊ほどの男がなぜ焦って内へ切れ込んで行ったんだろう」といった批判的な意見が大勢を占めた。多くのファンから武豊の兄貴分と思われていた松永幹夫までが、「あれがセーフなら、これから怖くて乗れなくなる。豊は早く勝つ形を作りたかったんだろうけど、軽率だったね」と、擁護の声を出すことはなかった。それほど、当事者たちは怖い思いをしたということだ。
ヒェッ