133 - 恒心綜合大学附属高等学校よりお知らせですを (sage) 2015/11/21(土) 01:13:44 ID:bBjTX3KQ0
29 名前:情熱大陸 亘心綜合音楽事務所(上級教徒)3[] 投稿日:2015/11/19(木) 13:52:12 ID:bnsr.pjc0 [3/3]
冬コミの会場を訪れる数日前に我々は事務所の知人である安藤良太に事務所についての話を伺った。
「事務所さんとの出会いはツイキャスですねぇ。ウリたんの印刷についてのアドバイスを貰ってぇ…そこから仲良くなりました」
(事務所のどこが凄いの?)
「アレンジは凄いですよぉ。けんまPの指導に専念してるからやってないだけで、かなり凄いって噂をよく耳にします。それと類い稀な統率力。それで夏コミ成功させたようなものですからねぇ。今アンチが殆どのように見えますけどぉ私や虐殺初心、けんまPのような上級教徒達から彼が慕われている理由はぁ、やっぱり有能だからなんですよぉ」
事務所の評価は当然のように高い。ボカロP時代にはいなかった事務所を賞賛する者達が確かにそこにいた。
「冬コミ成功させて欲しいですねぇ。まぁ、私は行きませんけども…」
そして迎えた冬コミ当日。有明・東京国際展示場。
我々取材班は事務所のサークルへ向かうとすぐに発見した。事務所はフルフェイスで顔を完全に隠しスーツ姿という異様な姿で、大量の尊ウリたんのがばら撒かれた机の奥に一人座っていた。
(お一人ですか?)
「一人です」
顔の表情は見えない。もう既にコミケは始まって他のサークルは盛況しているのに事務所のサークルだけ列がない。まるでそこだけ別世界のようだ。
「さっきまで列できてたんですけどね(笑)いやあ恥ずかしいところ見られちゃったかな…」
事務所はわざとらしく頭を掻いた。フルフェイスなのに。暫く取材班は事務所の側でカメラを回していたが、中々人は来ない。
すると一人マスク姿の男がカメラを持って事務所の正面に来るとパシャリ。そそくさと退散して行った。
「アンチでしょうね。わざわざここに来るなんてよっぽど暇みたいですね」
声は震えていた。なんJを見ると「【朗報】冬コミの恒心サークル客がいない」というスレが事務所の写真付きでそこそこ盛り上がり伸びていた。
「まあ見てて下さい。また列ができますよ」
消え入りそうな声で俯きつつ事務所は答える。数名客が来て尊ウリたんのを買っていった。たまにこっちを見てクスクス笑っている客や、また写真を撮りに来る者など冷やかしが現れたが事務所は特に反応しなかった。
ボカロP時代に味わった不遇の時代に得た忍耐力がここに来て活かされているように感じた。
こうして冬コミ終了。恒心サークル2回目のコミケは終わりを告げた。
「前回は300人超え。今回は100人ちょっと超えたぐらいですか?まあそこそこ盛況しましたね」
後で何度も録画を確認したが、カメラには20名の客しか映ってなかった。恐らく売り上げ的に100人相当という意味か、客個人個人の目に見えぬ情熱を足せば100人に相当するという意味のどちらかだろう。
事務所に今後の目標を聞いてみた。
「今後ですか?まずは夏コミの申請書を出すことですね。またサークルの審査ありますし、それ通らないと何も始まらないですから(笑)」
盗撮を恐れてフルフェイスとスーツ姿のまま我々の質問に答えた事務所は、冬コミの失敗にもめげずもう既に前を見据えていた。
「それでは失礼します。あ、次は夏コミ来て下さいよ今度は大盛況ですよ、きっと」
自らにも言い聞かせるように事務所は帰宅の途に就いた。冬コミの歴史的大惨敗により掲示板でもtwitter上でも現在進行形で大炎上している。しかしそんな炎上の炎にも負けない程、事務所の情熱という名の炎もまたけたたましく燃え盛っていた。
♪
冬が過ぎ、夏がまた始まるー。(終)
次回は弁護士唐澤貴洋弁護士。
「私の、アンノゥ…実家の方の…トウキボッ!…が撮られてぇ…」
炎上に巻き込まれた弁護士は一体何を語るのか。