SCP路線保管庫 (298)

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210 - 恒心綜合大学附属高等学校よりお知らせですを 2015/11/20(金) 22:13:19 ID:ksosARRM0

SCP-23832 森
Object Class:Euclid

取扱方:SCP-23832一帯は高さ3mのフェンスで囲われます。対外的には私有地として扱われ、侵入を試みた民間人は例外なく尋問の後に記憶処理を行います。

概要:SCP-23832はイギリス[編集済]に位置する自然林です。外周の計測により、その面積は約406,500平方メートルと判明しています。
後述する特性の為詳細な調査は外縁部に限られていますが、その植生や生物は[編集済]の非特異性の森林で見られるものと同一であり、採取した標本のいずれにも特異性は見られません。

SCP-23832の特異性は人間が内部に進入し、SCP-23832と外界との境界を見失った際に発生します。
この条件を満たした対象は、突如として開墾された土地(SCP-23832-1に指定)に足を踏み入れます。
SCP-23832の外縁部のどこから侵入したとしてもこの地帯にたどり着くまでの距離や時間は同一であること、上空からの調査ではこのような地帯は確認されていないこと、進入の際に対象に取り付けた通信機器の信号の消失が報告されていることから、この地帯は地球上には存在しないものであると考えられています。
二人以上による進入の試みがそれぞれが個別のSCP-23832-1に転送される結果に終わったこともこの推測を補強しています。
映像記録の分析では、SCP-23832-1は自然の素材を用いて野球のグラウンドを模しているようです。これはSCP-23832-2の行動に密接に関係しています。

SCP-23832-2はSCP-23832-1内で活動する異常な実体の総称です。SCP-23832-2は進入した人間に対しホームランダービーを強要します。いくつかの実態は骨格や筋肉の構造が人間に近いものとなっており、投球の為であると推測されています。
強要されるホームランダービーは、投球数が通常のホームランダービーよりも多く(SCP-23832-2-9では50球となります)、球の見逃しもアウトにカウントされる点などで一般的なホームランダービーと異なります。
また、バットとして使用するのは荒くバットの形に削られた丸太です。このため、グローブで手を保護していない対象は手に傷を負うことがあります。Dクラス職員が持ち帰ったバットのサンプルの分析は特異性を示しませんでしたが、記録映像では材質から推測されるよりも遥かに高い反発力と剛性を持っていることが観察されています。
野球用具の持ち込みはSCP-23832-2に拒否される結果に終わりました。
初めてSCP-23832の特異性の対象となった人間が遭遇するのはSCP-23832-2-1のみです。各実体が設定しているホームラン数のノルマを達成することにより、出会える実体は増えていきます。
ピッチャーを務める実体の投球動作は非常に奇妙であるだけでなく、後に出現する実体になるほどに投球が異常な挙動になります。SCP-23832-1内部での検査により、ボールはごく一般的な材質であると判明しました。

ホームランダービーの結果に関わらず、規定の投球数が終了すると対象はSCP-23832外縁部に戻されます。
しかし一度でもSCP-23832の対象となった人間はSCP-23832-2実体全員への勝利に固執するようになり、何度もSCP-23832-1へと進入しようとします。
これを放置すると対象は食事や睡眠といった基本的欲求を満たそうとせずにホームランダービーに打ち込むようになるため、結果として衰弱し、死に至ります。
この症状はSCP-23832-2-9への勝利か、記憶処理によって治療が可能です。

SCP-23832-2のリスト
   指定  役割  観察された性質
SCP-23832-2-1 キャッチャー 大型のマーモット。
SCP-23832-2-2 ピッチャー ロバを模したぬいぐるみ。尾は釘を用いて固定されている。遅い直球。
SCP-23832-2-3   〃 象に似た実体。やや速い直球。
SCP-23832-2-4   〃 巨大な耳を持つピンク色のぬいぐるみ。直球の緩急を使い分ける。
SCP-23832-2-5   〃 カンガルーの親子のぬいぐるみ。縦にバウンドする球だが、通常通りミートは可能。
SCP-23832-2-6   〃 アナウサギ Oryctolagus cuniculusに類似した実体。投球後に急激に加速する直球。
SCP-23832-2-7   〃 モリフクロウ Strix alucoに類似した実体。翼を用いて投球する。幾度も大きく左右に振れる球。
SCP-23832-2-8   〃 デフォルメされた細長い虎のぬいぐるみ。途中で消失する直球。持ちこんだ機器により、何らかの原理で視覚による知覚が不可能になっていることが判明。
SCP-23832-2-9   〃 4~5歳と推測される男児。投球動作を変えることなくSCP-23832-2-2からSCP-23832-2-8までの球を使いこなす。