SCP路線保管庫 (298)

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173 - 恒心綜合大学附属高等学校よりお知らせですを (sage) 2015/08/18(火) 23:28:04 ID:dFsn1f/s0

SCP-377 すべての母

OC:Euclid

取扱方
SCP-377は防音装置のついた一辺が3m以上の部屋に収容されます。収容室の扉は三重にして音が漏れないようにしてください。また収容室へ入る職員はSCP-377の発する音を聞かないように遮音装置の使用を義務付けます。
SCP-377に捕縛された職員は二次災害の危険性から救出をされません。SCP-377の爆破した肉片は全て回収し、収容室に戻すかただちに焼却処分されねばなりません。しかし径が1mを超える肉片の処分は禁止されます。人間に処方される精神安定剤の投与はSCP-377の鎮静化に有効であると考えられます。給餌時には10ppm程度の濃度に薄めて投与してください。

概要:
SCP-377は高さ2.1m 重さ2tを超える肉塊です。絶えず悪臭を放ち体から出る無数の触手を伸ばして獲物を捕縛し消化液を出して餌を吸収します。人間程度の有機物を吸収するのに8時間程度要します。自身は消化液によって損傷することなく、この液を利用して地面との摩擦を減らし移動に利用することもあります。
SCP-377の最も異常な特性は狩りの時に使用する音波です。SCP-377は30代女性のような音を発します。SCP-377の音を聞いた人間は必ずSCP-377を自身の母親であるかのような錯覚を受けます。この異常特性は記憶処理の効果を受けず、半永久的に持続します。SCP-377に対する認識は自身の母親とは異なり多くは赤い服を着ていた長髪の女性となります。またこの認識異常は本当の母親とは別に現れます。そのため、SCP-377の罹患者は母親が二人いるかのような錯覚を受けます。
多くの場合対象はSCP-377に近づき抱擁を欲します。この行為は職員によって拘束することが可能ですが、多くの場合暴力を持って抵抗します。対象がSCP-377に触れた時、体表から出る触手によって捕縛されます。消化液によって吸収されているにもかかわらず、被験者は死亡するまでSCP-377から離れようとせず、むしろSCP-377から守られているという感覚に陥ります。この時点でSCP-377から引きはがされた被験者はひどい恐怖と不安に陥ります。一部の被験者は歴史上人類が使用してきたあらゆる処刑・拷問に受けたようだと主張しSCP-377に戻ることを欲しました。
この被験者は数日間この感覚に苛まれた後、SCP-???の収容違反を起こして再びSCP-377の収容室に自発的に入っていきました。SCP-377の影響を受けている対象は幸福感に包まれていると主張します。脳波診断では性交時の300倍のアドレナリンが放出されていることが分かっています。

最近の研究によってSCP-377の対象は哺乳類全般に影響を与えることが分かっています。

SCP-377が発した音声の写し(一部抜粋)
どうして みんなは しあわせなの? このせかいのこと ききたいって しりたいって
みずべのこうえんで みんながみみをすませて わくわくするね ねぇ、オンディーネ


D-1921を用いた実験では、D職員が「母親のイメージと声が一致しない」と主張してSCP-377に対して激しい憎悪を持ちました。
このDクラスは幼少期から母親に虐待を受けていたということが分かっており、研究者によると母親に対して憎悪の感情を持つ者はSCP-377の影響を受けませんでした。その後SCP-377は哀しみ含ませた感情で次のような音を放っていたと記録されています。

ほんとに みんなが しあわせなの? このせかいのそと いきたいって にげたいって
みずべのこうえんで みんながみみをふさいで びくびくしてた ねぇ、ウィンディーネ

回収記録
SCP-377は全国のニートが突然失踪する事件を財団が調査した時に、失踪者の行方が全て姫路市で途絶えていることから財団の調査を受けました。
Dクラスを用いて調査を行いSCP-377の居所を突き止めました。また姫路市では収容前から行方不明者の数が増加しており、このうちSCP-377の影響によるものと考えられる人物は??名を超えると考えられています。
職員は初回収時に火器を用いてSCP-377を無力化しようと試みました。SCP-377の質量の25%はこれにより焼却されたものの、SCP-377は二つに分裂しエージェントを挟み撃ちにしようとしました。最終的には収容は成功しましたが、
収容直後無力化されたと思われていた肉片が再びSCP-377に変化し、財団のトラック1台を破壊しました。