27 - 横向けば尊師 2014/10/12(日) 23:32:32 ID:0KeJQMow
私は恒に正しい心を持ち戦うスーパーヒーロー。日夜悪いもの達の改造人間と戦い、組織壊滅からの世界平和を目指す。
今日も愛機のスーパーバイクを駆って、謎の爆発事故があったという東名高速道の下り車線を往く。
幸いにも巻き込まれた犠牲者はないようだが、あちこちから上がる黒煙が痛ましい。
その時、私のスーパー聴覚が、遥か行く手のかすかな異音をキャッチした。呟くような不気味な声、そして不快な咀嚼音。悪いもの達の仕業だ!
発信源と思われる長距離バスにSAで追いつき、私の予感は確信に変わった。休憩に出歩く乗客の一人が、あからさまに怪しい。
緩みきった顔と体型。人工毒ガスブレンドのあぶら染みた体臭。もちろんその口から漏れる咀嚼音は、件の不快な音と100パーセント一致している。
何よりバスの運行予定などお構いなしに、己の食欲をただ満たそうとする、この身勝手さ。どう考えても悪いもの達の怪人だ。
バスに乗った怪人、爆弾とガス……ここから導き出される結論は、唯一つ。バスの乗客を一人残らず、誘拐してしまう計画に違いない。許さん!
動き出したバスにピッタリ並走しながら、念のためバイクのスーパーセンサーを起動する。間違いない、明確な怪人反応。
その反応ポイントに向けて、私はスーパー光線を放った。相手の内蔵器官を活性化させ、爆発を起こす必殺技だ。
「もぉダメェ!!我慢できないナリ!!漏れちゃうナリィィィィィ!!(ブリブリブリドバドビュパッブブブブゥ!!!!!ジョボボボボジョボボボ!!!!!!!ブバッババブッチッパッパッパパ!!!!!!」
今日も世界の平和は守られた。名も知らぬナリナリ怪人よ、今は静かに眠れ。