324 - ヽ ( (c :; ]ミノ@すべてCC BY-NC-ND 4.0 2016/12/21(水) 20:23:05 ID:1xkZOQre0
「今後は職を見つけて正しい生活を送りたい。」
東京地裁で開かれた威力業務妨害事件の公判。
インターネット上で殺害予告などを繰り返したとして起訴された元少年が淡々とした口調で話した。
3年前、発信元を隠せるソフトを使い、ネットの分野で著名な唐沢貴洋弁護士を中傷する投稿を始めた。
仲間に誇示する狙いで「自分をアピールできるなら何をしてもよいと思っていた。」
投稿内容には歯止めはきかず、最終的には弁護士の名前をかたって千葉県内の市役所の爆破を予告。逮捕された。
「反省は本心か」
言い渡されたのは保護観察付の有罪判決。後半では反省の弁も述べたが、唐澤弁護士は本心かどうか懐疑的だ。
「自分から謝罪する様子はなかった。自分がしたこの重みを本当に分かっているのだろうか」と首をかしげた。
刑法犯で摘発された少年はこの5年でほぼ半減した。しかしサイバー犯罪を起こすのは若い世代が中心だ。
不正アクセス禁止法違反で摘発された容疑者の内10代(14〜19歳)の割合は2015年まで5年連続でトップ。
そんな状況に苦慮しているのが更生の現場だ。
サイバー犯罪を犯した少年の多くが「興味本位」と言う動機を口にする。
佐賀県の教育管理システムから大量の個人情報が流出した事件。
教育現場での情報管理の甘さを浮き彫りにした深刻な事件だったが、
警視庁が不正アクセス禁止法違反容疑で摘発した無職少年(当時17)らの動機はあっけないほど無邪気だった。
「学校などのシステム管理の甘さを仲間とからかっていた。」
「通じない従来型」
更生の現場では、罪の意識を自覚させ、規則正しい生活を守らせて犯罪に関わりそうな環境から引き離すのが一般的だ。
しかしスマホやパソコンが当たり前の時代。その手法は通用しにくい。
横浜市で長年保護司として活動してきた河西英彦さん(76)はネット絡みのトラブルから盗みをしたとして
保護観察処分になった少年に、ネットをしないよう指導したが、「つい見てしまう」と聞き入れられなかった経験がある。
保護観察処分中の非行少年に課せられた「遵守事項」にもネット利用に関する項目はない。
葛西さんは「監視する手立てはない。罪の意識が希薄なケースも多く、立ち直り支援は容易ではない」という。
唐澤弁護士は「サイバー犯罪に手を染める少年の多くは実社会で人とうまく関わるのが苦手で、
呼応性の家庭で再びネットの世界に戻って犯罪を繰り返してしまう。ほかの犯罪とは違う更生メニューが必要ではないか」と提言する。
新しい時代の少年犯罪にどう向き合うか。思考錯誤が続く。