375 - ヽ ( (c :; ]ミノ 2016/12/14(水) 10:35:15 ID:LIByPV5H0
はいナリ
1 名前:名無しの黒モミ :2015/07/22(水) 01:04:05
「どうなってるんだ!」
壁の厚みはおよそ1メートル、特殊な合金と複数層からなるコンクリートで作られ、電波も届かないその部屋で怒号が轟いた。
「うまく処理するように私は指示し、お前は頷いた。その結果がこのザマか?」
そう言いながら男は執務机の椅子に深く腰掛け、葉巻を取り出した。
怒鳴られた男は小刻みに震え、目が泳ぎながらも、かろうじて一言を発する。
「ですが会長」
そう発した瞬間、会長と呼ばれた男はことさらに大きな音を立てながらシガーカッターで葉巻の先を切ると、静かに言った。
(参考画像 http://i.imgur.com/8IbJBvM.jpg)
「ですが、というのは相手に反論するときに使う言葉だ。
とするとあれか?私はいま、お前に反論されたのか?」
まだ火をつけていない葉巻を机の上に置くと立ち上がり、近づいていく。
「お前、いま私に口ごたえをしたのか?」
顔を近づけ、そうゆっくりと会長と呼ばれた男は言った。
「いえ、違います。そういうつもりでは」
詰問されている男の呼吸が荒くなり、声が震える。
「そういうつもりではない?は!
ということは、つまり、そう解釈した私は馬鹿ということか?」
男の周りを時計回りに歩きながら言う。
「まあいい。一旦落ち着こう」
そう言いながら笑うと、男の肩を強くつかみ耳もとに口を持っていった。
「今回の粉飾は死人がでる。じゃあ誰が死ぬ?お前か?駄目だ、お前じゃなんの足しにもならない。
私はお前に処理をしろと確かにいったはずだ。それが、なぜここまで漏れている?
優秀だと思っていたが、とんだ無能だったな。期待はずれだ」
一気に囁くと、顔を一旦離し、男の指を見た。