【唐澤貴洋殺す】雑談★94【ちばけんま】 (1000)

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873 - 核撃てば尊師 2014/02/08(土) 22:32:08 ID:PslFIeUE

ぼくが無能弁護士の俗称を女声で叫びながら、自室でマスをぶっこいていると、ノックもなしに母が入室してきた。
「あら、アンタだったの。母さん、てっきりOrpheusの新曲かと思ったわ」
すぐさま事の次第を見て取り、しょんぼりと肩を落とす。どうやら相当がっかりしたらしい。
「プライバシーの侵害ですぅ!」といって、かんしゃくを爆発させようとしたぼくだったが、その様子があまりに哀れっぽかったので、気の毒になりやさしく声をかける。
「芸名は決めています。タカヒロ……カラサワ タカヒロっていいます」
「あらっ」
とたんに母の顔に喜色が浮かぶ。そして、たったいま耳にした素敵な名前をそっとささやく。
「タカヒロ」
「あいよ」応えるぼく。
「タカヒロさん」
「はやらいよっと」返事に技巧を加えてみる。
こうして母とぼくの一日はゆっくりと、しかし確かな粘り気をもって暮れていくのだった。