111 - 一般神奈川県民 2021/04/11(日) 15:12:17 ID:OYBkm5NL
a≡b (mod p)というのは、aをpで割った余りがbをpで割った余りと等しいということです。
≡は合同とよび、mod pまでの部分を日本語だと「aとbがpを法として合同」なんて言ったりします。
ここで、a≡b c≡d (mod p)のとき次の性質が成り立ちます。
(1) a±c≡b±d
(2) ac≡bd
つまり四則演算のうち割り算以外は合同式でも成り立つということです。
一応(3') an≡am (mod p)でaとpが互いに素ならば n≡m という割り算に似た性質は成り立ちますが正直使い勝手が悪いのでどうでもいいです。
また(2)を変形すると明らかに(2') a^n≡b^n (nは自然数)というのが成り立つことがわかります。
じゃあ実際にどういった場面で使えるのかと言うと整数問題です。
特にf(n)が常に○○であることを示せだとかそういった証明問題に非常に役立ちます。
例を上げると素数pに対してp^4+14が素数でないことを示せ(京大文系)とかですね
3でない素数pをまず考えるとp≡1,2 (mod 3) 、つまり3で割った余りが1,2ですから、(2')よりp^4≡1,16となります。ここで16は3*5+1ですから余りは1となり
結局p^4≡1となります
そして(1)から両辺に14を足してp^4+14≡15≡0 となって、pが3でないときは必ず14より大きな3の倍数になるので明らかに素数ではありません。
あとはp=3を代入すると95となってこれも素数でないので、題意が示されたわけです。
このように、一見難しそうな整数問題でも3で割った余りや4,5で割った余りを考えるととても見通しがよくなることがあるので、大学入試ではマスターしておくべきだと思います。
どうやってマスターするのかといえばとりあえず合同式の定義から入って各種の性質を証明して合同式の気持ちを理解するといいと思います。手を動かして実際に計算するのが最短です