656 - 風吹けば名無し 2017/03/27(月) 07:06:16.48 ID:F8NQMp+j0
私は「Schizophrenia」（日本語では「統合失調症」）をメインテーマに作風する女流画家。
頭部に虫が乗る半身像、植物と昆虫のハイブリッドの生命体、皮膚が爛れてグロテスクな表情を浮かべる人物や
もはやスケール感も把握できない謎めいた生物などのモチーフを幻想的なシチュエーションで描いている。
明日は九州の展覧会。安城学園から独立し、画家としての自立を目指す私はアートイベントに出展する。
交通費が自費のため長距離バスを利用して行くことにした。
長距離バスの利用は毎回だったので2か月以上前に予約した最後列窓際に陣取り、席が埋まる光景を眺めていたが満席になってもずーっとバスが出ない。
遅れて来たデブに冷ややかな悪意が向けられていくのを肌で感じながら
「Schizophrenia（日本語では統合失調症）患者はこの様な状態に絶えず晒されているのだろうか」
などど考察を巡らせる。だが謝るでも畏まるでもなく、平然と着席するデブの光景に「下らない俗物を見て後悔した」といった念が湧き視線をそらした。
私が乗る長距離バスは4列だ。安いから仕方ないが席が狭くイライラした客も多い。車内はエアコンのため乾燥し密閉されている。
誰かが立てたガサゴソという物音は響き、誰かが取り出した食い物の臭いは充満し、見ず知らずの他人に己の生活が晒されてしまう空間になっている。
到着するまで寝ようと思ったとき、客のクチャ音に耐えられなかったのか若い女性が咳払いをした。
だから嫌なんだよ、弱いヤツは。だから嫌なんだよ、正面から人と向き合うの。だから嫌なんだよ、女は。だから嫌なんだよ、こんなに悲しくなるから。
しばらくするとバスは海老名SAで休憩についた。海老名のSAにはいろんな店があり
「Schizophrenia（日本語では統合失調症）患者はこの全てが敵に見えているのだろうか？」
など考察しながら観覧し再びバスに乗り、バスは目的地の九州へ向けバスは出発した。
到着するまで寝ようと思ったが、今度は男の客がガタガタ震えている。
酔ったのか、腹でも壊しているのか。ふと思いついた。
Schizophrenia（日本語では統合失調症）患者は全てが敵に見えている。
この密室でで漏らすようなことが起きれば、それはもうSchizophrenia（日本語では統合失調症）ではないのか。
チャンス、いや芸術家としての凄まじい嗅覚を感じとりながら紙とペンを握った。みると男はもう限界に近い。
ーーーこいつが出した瞬間に描く、その光景を一瞬を刻みつけるーーー
もはやスケール感も把握できない謎めいた生物として幻想的なシチュエーションで描く、
それが芸術家として天性の才を得「もぉダメェ！！我慢できないナリ！！漏れちゃうナリィィィィィ！！（ﾌﾞﾘﾌﾞﾘﾌﾞﾘﾄﾞﾊﾞﾄﾞﾋﾞｭﾊﾟｯﾌﾞﾌﾞﾌﾞﾌﾞｩ!!!!!ｼﾞｮﾎﾞﾎﾞﾎﾞﾎﾞｼﾞｮﾎﾞﾎﾞﾎﾞ!!!!!!!ﾌﾞﾊﾞｯﾊﾞﾊﾞﾌﾞｯﾁｯﾊﾟｯﾊﾟｯﾊﾟﾊﾟ!!!!!!」
私は売れ筋の美人画に転向することを決意した