雨 (7)

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1 - 核撃てば尊師 2017/02/16(木) 19:15:13.65 ID:yIe7Rumh0

ぽつり、ぽつりと雨が降っている。
雨と言っても一般的にそう呼称されるあの天からの恵みのことではない。
あくまでも比喩であり、逆に言えばそれとしか認識出来ないような代物であった。

色はどす黒い朱色をしていた。
触れた瞬間にはひやりと冷たいのだが、どこか暖かさ ――それはまるで幼い頃の母親の膝枕のような―― を感じる。

時々液体以外のものも混じって降ってくる。
鳥の羽のようなものや、ダッチワイフの膣部分に取り付けられているオナニーホールの残骸などがそれに該当した。

さて、こんな所で立ち止まり考え事をしている場合ではない。
そろそろ仕事に向かわねばならない。
かつて敬愛していた老境の会計士と、その息子が待ち構える事務所へ。

額に付いた雨を指で掬い取り舐める。
それは僕にとって馴染みのある味だった。
そうか、今日の犠牲者はY本君だったのか。

明日の犠牲者は、僕なのかもしれない。
そう考え想像しているだけでも、僕のチンフェは静かに揺れ動くのだった。