【オメガ】小関直哉★9【たくまKけα`やかに】 (1000)

←← 掲示板一覧に戻る ← スレッド一覧に戻る

790 - ゆぱー! (sage) 2016/01/04(月) 05:55:40 ID:pCewBwPw

288 無名王 2015/12/25(金) 14:38:51 ID:hJNoLxbk0
2-1 高校入学

中学卒業後、彼は地元の「上富良野高校」に進学しました。
この上富良野高校は偏差値三十台とお世辞にもレベルが高いとは言い難い高校です。

では彼は学力の都合で仕方なく上富良野高校への進学を決めたのでしょうか。 私は決してそうではないと考えます。

この当時、彼は旭川と富良野を結ぶ富良野線の中間地点にあたる美瑛町に在住していました。 そこそこの人口の旭川や富良野にこそ標準的なレベルの高校はありますが、距離面でそこへの通学は難しいものになっていた可能性は高いです。 それに彼の親は仮にも教員であり、そのことから考えても教育のレベルはそこまで低くはなかったと私は推察します。 ここではあくまで北海道という大地の広大さが、彼の進学選択の決め手になったのでしょう。

しかし小関直哉にいかなる思惑があったとしても、上富良野高校は粗悪な生徒も沢山進学してくる高校です。 彼は内心そういった集団を見下していたことでしょう。

「俺は仕方なくここに進学しただけだ、低脳なこいつらとは違う」

彼が唯一の文化部である、かつ同級生のいない書道部を選んだのもそういった心理があってのことだったと考えられます。 体育自体への忌避、またアニメやライトノベルの影響もあったかもしれませんが、それ以前に価値観の異なる底辺じみた人間と汗を流し合い人間関係を築くことは彼の幼いプライドが許しませんでした。

しかしながら彼の選択は言うまでもなく裏目に出ました。 余程コミュニケーション能力が高くない限り、皆が部活動で汗を流す中自分だけがのうのうとしていて強い結びつきを持った友人関係は期待できそうにないからです。

こうして彼は緩やかに孤立していきました。 教員やクラスメートとは学校でそこそこに話すが、特に信頼できる友人を作ることも無く時間が過ぎていく、そんな高校生活だったと予想されます。 卒業した後に思い出や人脈が残ることはないでしょう。

そして同時に友人を作れない実情を正当化すべく、彼は自己像の肥大化を始めました。

「俺は特別な人間だ、こいつらとは違う、友達になれないのは仕方がない」

小関直哉が歪んでいく過程における、最初の大きなターニングポイントはほぼ確実に高校進学であったことでしょう。

ところで彼の中学時代は高校よりずっと充実したものであったと考えられます。 霞ちゃんや白井カナチのモデルなど、中学時代の同級生が度々自分語りに登場するからです。 全くと言っていいほど省みられない高校生活とは雲泥の差と言っていいでしょう。