【唐澤貴洋殺す】雑談★2【唐澤貴洋殺す】 (1000)

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568 - 唐睾睾睾 2014/01/09(木) 18:37:37 ID:.jMEx8/.0

(3)これを本件についてみると,税理士法人である被告法人においては,その税理士以外の従業員が被告法人を労務の提供先として事実上税務書類の作成等の業務を行い,その成果が被告法人を主体とする業務として顕出されるということがあり得る。しかしながら,他方,税理士法人でない被告会社においては,自らが業として他人の求めに応じて税務書類の作成等を行い得るものではない以上,被告会社の従業員が被告会社を労務の提供先として事実上税務書類の作成等の業務を行ったとしても,その業務は,税理士又は税理士法人を労務の提供先とするものとはいえず,また,その成果が税理士又は税理士法人を主体とする業務として顕出されるということも考えられない(なお,仮に,業務の成果が被告会社の従業員である税理士個人を主体とする業務として顕出されることがあったとしても,その労務の提供先が当該税理士個人ではなく被告会社である以上,同様である。)。したがって,少なくとも,被告会社においては,その税理士以外の従業員による事実上の税務書類の作成等の業務について,実質的に「税理士の業務」を行うものと評価して専門型裁量労働制の対象に該当すると解する前提を欠き,税理士以外の従業員に専門型裁量労働制を適用することはできないというべきである。
 そして,前記認定の事実関係の下では,原告は,被告ら双方と労働契約を締結したものの,被告らに対し,そのいずれの業務であり,そのいずれが労務提供先となるのかを格別区別することなく,双方の業務が渾然一体となったものとして,その労務を提供していたものであり,被告らも,原告から,被告らのいずれの業務であり,被告らのいずれが労務提供先となるのかについて格別区別することなく,その労働の提供を受けていたものであると認められる。このような被告会社の業務と被告法人の業務とが渾然一体となって行われている場合に専門業務型裁量労働制を適用することは,専門業務型裁量労働制を本来適用することができない業務に適用する結果となるものであり,労働基準法が特定の業務に限って専門業務型裁量労働制の対象とした趣旨を損なうものといわざるを得ない。したがって,被告らにおける原告の業務については,仮にそれが事実上の税務書類の作成等であったとしても(むしろ,乙11〜14及び弁論の全趣旨によれば,原告の業務は,税理士の補助業務にとどまることがうかがわれる。),被告会社の業務として行われたのか被告法人の業務として行われたのかが明確に特定区分されていない以上,専門業務型裁量労働制を適用することはできないというべきである。
(4)以上によれば,その余の点について判断するまでもなく,原告には専門業務型裁量労働制が適用されないものと認められ,被告らは,原告に対し,時間外労働についての割増賃金を支払う義務があるというべきである。
3 争点2(原告が被告らに対し深夜労働についての割増賃金の支払を請求し得るかどうか)について
 前記争いのない事実等,証拠(乙1,5,10)及び弁論の全趣旨によれば,本件規定は,被告らにおける業務について専門業務型裁量労働制を導入する旨の規定であり,専門業務型裁量労働制が適用される従業員をもって「裁量労働適用者」と称した上で,「裁量労働適用者が,休日又は深夜に労働する場合については,あらかじめ所属長の許可を受けなければならないものとする。」と定めているものと認められる。そうすると,前判示のとおり,原告には専門業務型裁量労働制が適用されないと認められる以上,本件規定は,深夜に労働する場合について所属長の許可を得ることを要し,許可を得て深夜に業務を行った場合に割増賃金の支払を受け得るとされる部分を含めて,原告に適用されるものではないというべきである。被告らは,原告が専門業務型裁量労働制の適用を受けるかどうかにかかわらず,休日又は深夜に労働する場合に所属長の許可を得なければならない旨を主張するが,採用することはできない。
 したがって,原告の所属長(大山プリンスパル)が原告に対し,深夜に労働することの許可を与えたかどうかにかかわらず,被告らは,原告に対し,深夜労働についての割増賃金を支払うべき義務があるというべきである。