【唐澤貴洋殺す】雑談★2【唐澤貴洋殺す】 (1000)

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563 - 唐睾睾睾 2014/01/09(木) 18:36:15 ID:2zKTg5rI0

 また,被告会社は,被告法人と異なり,税理士法52条により,税理士の業務を行うことができない以上,仮に,税理士でない者について専門業務型裁量労働制を適用し得るとしても,原告が被告会社に対して提供した労務については,「税理士の業務」に該当せず,専門業務型裁量労働制を適用し得ない。
 さらに,専門業務型裁量労働制を導入するためには,使用者は,これに関する労使協定を所轄労働基準監督署長に届け出なければならないところ(労働基準法38条の3第2項,同法38条の2第3項,労働基準法施行規則24条の2の2第4項),被告法人における専門業務型裁量労働制に関する協定は,届出がされておらず,また,被告会社における専門業務型裁量労働制に関する協定については,平成20年10月31日に定められたとしても,平成23年8月23日に届出がされたにすぎず(乙5),原告が被告会社に雇用されていた平成22年においては,その届出がされていなかったものである。そうすると,仮に,税理士でない者に対して,専門業務型裁量労働制を適用し得るとしても,原告に対しては,その適用の要件を満たしていなかったものである。
 以上によれば,被告らは,原告に対し,時間外労働についての割増賃金を支払うべきである。
ウ 深夜労働についての割増賃金の支払請求(所属長の許可の要否等)について
 被告らは,原告に本件規定が適用されることを前提に,被告らが原告の所属長において,原告に対し,深夜に労働することの許可を与えた事実はなく,深夜労働についての割増賃金を支払うべき理由はない旨を主張する。
 しかし,本件規定は,労働基準法38条の3所定の専門業務型裁量労働制に関するものであり,本件規定にいう「裁量労働適用労働者」も,上記専門業務型裁量労働制が適用される者を意味するのであり,前記のとおり,原告に専門業務型裁量労働制が適用されない以上,本件規定が適用されることもなく,原告は,休日又は深夜に労働する場合に所属長の許可を得る必要はない。
 また,仮に,原告に本件規定が適用されるとしても,原告は,常に直属の上司の面前において深夜労働に就いており,被告らの所属長の黙示の許可を得て就労したものというべきであるから,本件規定所定の割増賃金支払の要件を充たす。
 したがって,被告らは,原告に対し,深夜労働についての割増賃金を支払うべきである。
エ 法定休日労働についての割増賃金の支払請求について
 被告らにおいては,日曜日が法定休日であると解されるから,平成22年8月8日(日曜日)及び同月22日(日曜日)の労働については,法定休日労働として割増賃金が支払われるべきである。
(2)被告らの割増賃金の連帯支払義務について
 被告らの代表者及び本店ないし主たる事務所の所在地が同一であり,従業員もほぼ同一であること,原告が被告ら双方と労働契約を締結していたことは,いずれも当事者間に争いがないところ,原告は,ただ一度の機会に,被告らの人事担当者であるCから被告らを区別した上での説明を受けることなく,その労働契約を締結したものであり,その際に書面(甲11)をもって提示された賃金の額も,被告会社及び被告法人からそれぞれいくら支払われるのかについて全く区別されていなかった。そして,被告らは,原告から,被告ら相互の業務内容,労務提供の受領先,原告の労働条件等について全く区別することなく労務の提供を受け,原告も,被告らに対し,自らの労務の提供先として両者を全く区別することなく一体のものとして認識し,その労務を提供していたものである。被告らの「キャリア・ディベロップメント・プログラム」(乙4)においても,被告ら相互を全く区別することなく,賃金制度の考え方,等級体系,賃金体系が定められている。そして,原告が被告らを退職する際に作成して提出した退職届も,1通のみであった。
 上記の事実に照らせば,原告と被告らの間の労働契約においては,労務の提供とその反対給付である賃金の支払について,不可分債務(民法430条)とする旨の明示又は黙示の合意があったというべきである。したがって,被告らは,原告に対し,賃金及びこれに対する遅延損害金を連帯して支払うべき義務を負う。
 また,上記の事実に照らせば,原告と被告らとの間の労働契約は,契約締結行為それ自体としても,契約当事者の認識においても,被告らを共同の主体とする1個の行為によって締結されたものであり,被告会社及び被告法人双方の営業のためにされたものであるというべきである。したがって,原告と被告らとの間の労働契約に基づき発生した債務は,被告らのために商行為である行為によって負担されることになったといえるから,商法511条1項により,被告らは,原告に対し,当該債務について連帯債務を負うというべきである。