【唐澤貴洋殺す】雑談★2【唐澤貴洋殺す】 (1000)

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546 - 唐睾睾睾 2014/01/09(木) 18:30:31 ID:L/DU0nnI0

(2)慰謝料等の額
ア 以上を前提にして,本件における慰謝料額を検討すると,当時,中学3年生の女子であった原告にとって,性的道徳観念が希薄であって,誰とでも性交渉をする人物であるかのように,自己を特定できる形で,不特定かつ多数の人物が閲覧可能なインターネット掲示板に投稿されることが,精神的苦痛を受けるものであることは,想像に難くない。
 しかし,他方で,本件記事の投稿は,原告ブログに対する同年代の中学生による反感がその原因になっているものと考えられ,若年時にネット社会に身を乗り出す危険性が具現化したものと評価することも可能であり,心身ともに未成熟な被告が一時の感情の赴くがままに行ったものとも見て取れる。また,一般的には,2ちゃんねるのようなインターネット掲示板上における情報の信用性は高いものとは認識されておらず,本件記事についてもこれを裏付けるような特段の事情がなければ,これを直ちに真実と信用する者は乏しいと考えることができる。以上からすると,その他本件事案における一切の事情を勘案すれば,本件における慰謝料額としては50万円を認めるのが相当であると考える。
イ 次に,原告は,本件記事の発信者を特定するために必要であった調査費用として74万8054円の損害を被った旨主張する。
 確かに,前記第2の1(2)ウ及びエ記載の活動に際して,原告は,原告代理人に対して,パケットモンスターに対する投稿記事削除及び発信者情報開示仮処分命令申立事件の報酬として42万2222円,JCN関東に対する発信者情報消去禁止の仮処分命令申立事件の報酬として26万2500円,さらに,2ちゃんねる上の誹謗中傷記事がコピーサイトに拡散した記事を削除するための報酬として6万3332円を支払ったことは認められる(甲13の1ないし3)。
 そこで,検討するに,インターネット掲示版での投稿による名誉棄損では,発信者情報の開示を求めることで投稿した人物を特定しなければ,損害賠償を請求することはできず,弁護士に依頼して仮処分や訴訟を起こすなどして調査をすることも,社会通念上合理性を有するものと考えられる(なお,原告の主張する調査費用には,投稿記事削除に関わる費用も含まれているが,弁護士による投稿記事削除のための活動も社会通念上合理性を有するものであるから,同様に考えることができる。以下,併せて「調査費用等」という。)。
 したがって,弁護士による調査費用等についても,相当な活動及び相当な金額の範囲で,相当因果関係ある損害として賠償されるべきであると考えられる。そして,相当な活動及び相当な金額の範囲を検討するに際しては,不法行為訴訟における弁護士費用相当の賠償額は,他の損害額合計の1割相当額を認めることが通常の取扱となっていることも念頭に置く必要があると考えられる。
 以上を前提に,上記活動の内容及び成果(相手方を別にする2度の仮処分に加え,コピーサイトに拡散した記事の削除も実施していること等),本件訴訟における損害の認定内容等,一切の事情を総合考慮すれば,本件における調査費用等相当の賠償額としては,20万円を認めるのが相当であると考える。
(3)弁護士費用
 弁護士費用として,上記(2)ア及びイの損害額合計70万円の1割相当額である7万円を認めるのが相当である。
3 結論
 そうすると,原告の請求は,77万円及びこれに対する不法行為発生後の日である平成23年8月7日から支払済みまで民法所定年5分の割合による遅延損害金の支払を認める限度で理由があるからこれを認容し,その余は理由がないから棄却することとして,主文のとおり判決する。
東京地方裁判所民事第30部
裁判長裁判官 菅野雅之 裁判官 今岡健 裁判官 原彰一

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