【唐澤貴洋殺す】雑談★2【唐澤貴洋殺す】 (1000)

←← 掲示板一覧に戻る ← スレッド一覧に戻る

526 - 唐睾睾睾 2014/01/09(木) 18:17:36 ID:WI1/d9DU0

(2)違法性阻却事由について
ア 発信者情報開示請求においては,権利侵害の明白性が要件とされているおり(法4条1項1号),これは名誉毀損(侵害)の場合には,いわゆる真実性,相当性の証明による違法性阻却の成立しないことの主張,立証をも要する趣旨と解される(ただし,相当性の証明における主観的要件を除く。)。
 名誉毀損における真実性,相当性の証明による違法性阻却とは,〔1〕当該名誉毀損行為が公共の利害に関する事実に係り専ら(又は主として)公益を図る目的でされた場合には,摘示された事実が真実であることが証明されたときは,その行為には違法性がなく,不法行為は成立しない,〔2〕仮にその真実であることが証明されなくても,行為者においてその事実を真実と信じるについて相当の理由があるときは,その行為には故意又は過失がなく,不法行為は成立しないとするものである(最判昭和41年6月23日民集20巻5号1118頁参照)。
イ これを本件について見ると,前記の認定判断によれば,[1]及び[3]の記事は、原告が鬱病に罹っているとの印象を与えるもの,[2]の記事は,原告とその教え子であるB4選手とが恋愛関係にあるのではないかとの印象を与えるもの,[4]の記事は,原告がわがままで指導をよく休む,怠け癖のある責任感のない指導者であるとの印象を与えるものとしていずれも原告の名誉を毀損するものであると認められるところ,証拠(甲6の1,乙4)及び弁論の全趣旨によれば,原告が師範として主宰するαは,愛知県内に本部のほか,少なくとも春日井道場,一宮道場,名東道場,中道場及び弥富道場など,複数の道場を有する空手道場であり,その門下生は少なくとも数百人ないしそれ以上に及ぶこと,特に年少者の育成に力を注いでおり,小学生以下の門下生が占める割合が多く,その父兄を含めると,道場の経営や指導に関心を持つ者はさらに多人数に及ぶことが認められる。これらの事実に照らせば,たとえ原告の社会との関わる範囲が,主として空手,特に愛知県内の空手道場における指導を中心とした範囲に限られるとしても,その指導を現に受けている者,あるいはこれから受けようとする多数の者にとって,指導者が精神的な問題を抱えていないかどうか,指導者が不道徳な行為を行っていないか,指導者が熱心に指導を行うことができる人物であるかどうかがおよそ正当な関心の対象にならないものとはいえず,本件各投稿記事が公共の利害に関する事実に係るものでないと断定することはできない。
ウ しかしながら,本件各投稿記事は,その表現内容を見ると,[1]の記事は,「さいきん,B3師範の鬱病はどうなの?」,「最近ずっと鬱状態だな」との書き出しに始まり,B4選手との関係を記述した後,「でもあとはずーっと鬱,鬱,鬱,,」などと記述するものであり,その表現の態様からすれば,興味本位ないし単なる好奇心から出た記述といわざるを得ず,そこに公益を図る目的は窺われない。また,[2]の記事は,原告とB4選手とが「やばい雰囲気だったよ」とか,「普通じゃないね」,「抱きしめられてうっとり…」,「なる程ね」などと記述するものであり,上記[1]と同様,興味本意ないし単なる好奇心から出た記述といわざるを得ず,公益を図る目的は窺われない。[3]の記事も,「最近,検索の鬱はどうなの?」,「悪化してるんじゃないのw」などとして原告の状態を揶揄するものであり,そこに公益を図る目的は窺われない。[4]の記事についても,「ワガママだから」とか,「我慢をするというのができないんだよ」などと記述して,単に原告の人格を避難し,誹謗するものであって,その表現の態様に照らして公益を図る目的は窺われない。 
 以上によれば,本件各投稿記事に公益を図る目的は窺われない。
 なお,被告は,本件発信者の回答によれば,αにおいては原告による直接の指導を受けられることが通常はないのが実態であることを踏まえて,原告が特定の優秀な選手のみを集中的に指導し,その指導が道場に行き届いていないことが問題であると考えて,道場経営の改善を希望する意図で行ったものであると主張するが,本件各投稿記事の表現内容に照らして,そのような目的を窺うことはできない。
エ したがって,その余の点について判断するまでもなく,本件各投稿記事に違法性阻却が成立することはない。