362 - たぁ坊 2013/10/15(火) 02:02:26 ID:4LSPo.460
第3 当裁判所の判断
1 権利侵害の明白性の存否について
(1)権利侵害要件に関する立証責任の分配について
法4条1項1号は,発信者が有するプライバシー及び表現の自由という発信者の利益と権利回復を図る必要性という被害者の利益との調和という観点から,
権利侵害がされたことが明らかであることを必要としたものであるから,権利が侵害されたことに加え,違法性阻却事由の存在をうかがわせる事情が存在しないことまで,原告において主張,立証する必要がある。
(2)名誉毀損の構成要件該当性(社会的評価の低下)について
ア 本件書き込みは,具体的な事実の摘示を伴うものではないが,原告が犯罪者であるとの記載は単なる意見や感想を記載したとみることはできず,
原告の社会的評価を低下させるものであることが明らかであるということができる。
イ 違法性阻却事由の不存在について
(ア)原告は,未成年飲酒や無免許運転をするなどの犯罪者と言われるような行為をしたことがないと主張する。
一方,この点について,本件発信者は,本件回答書において,前記第2の2(2)エ記載の主張をしている。
しかしながら,上記記載には裏付けがなく,本件書き込みに係る事実が真実であることがうかがわれるということはできない。
(イ)また,本件書き込みには具体的な犯罪事実が記載されておらず,「チンコフェイス」といった品性を欠く表現も用いられていることからすれば,本件書き込みに公益目的があるとは認められないことも明らかである。
(3)以上によれば,本件書き込みによって,原告の権利が侵害されたことが明らかであると認められる。
2 正当な理由の存否について
原告は,本件発信者に対して不法行為に基づく損害賠償請求を行うために,被告に対して発信者情報の開示を求めていると認められるところ,
損害賠償請求権行使のためには,本件発信者を特定する必要があることが明らかであるから,原告には,被告から本件書き込みに係る発信者情報の開示を受けるべき正当な理由があると認められる。