701 - [´・ω・`] tor3e3.digitale-gesellschaft.ch 2024/05/18(土) 22:54:11.15 ID:h5SxEXvX0
犯罪意識の欠如と爆破予告の手軽さ
ネットが普及する前の犯行予告は、電話や手紙による手法が一般的で、 “足がつきやすい ”ため、その犯罪意識に一定程度の強度があったわけだが、ネットの普及に伴い、掲示板やメール、SNSなど“気軽”に犯行予告が行えてしまう土壌が生まれた。
その気軽さが犯罪意識の低さを生み出し、犯行予告を増長させている可能性もある。犯行を行った者の中には、ただの“いたずら”を主とした動機も散見され、中には小中学生による犯行も散見される。
その“犯罪意識の欠如”と“犯行予告の手軽さ”という土壌が犯行予告を容易にしてしまっている環境も問題であろう。
また、株式会社Specteeが2020年10月に発表したレポート「【SNS分析】爆破予告の急増について」によれば、2019年10月1日から2020年9月30日までの1年間で爆破予告を覚知した件数は176件。うち、コロナ禍が本格化した2020年6月頃から爆破予告が急増、コロナ禍のストレスが爆破予告の増加に影響している可能性があるという。
爆破予告対象として最も多かったのは「教育機関」で、総件数85件のうち、実に69%を占める59件が「大学」を対象としたものであった。このように、環境が与えるストレスも爆破予告を行う動機となっていると言えよう。
では、爆破予告を含む犯行予告は実行されないのだろうか。今年、世間を震撼させた“桐島聡”の発見劇は記憶に新しいが、その桐島聡が所属した東アジア反日武装戦線による三菱重工爆破事件(1974年発生)では、三菱重工ビルの電話交換手に時限爆弾を設置したから退避するよう爆破予告電話をかけたが、「単なるイタズラ」と捉えられたため、避難処置はとられず、死者8名、負傷者376名といった多大な被害をもたらした。
また、爆破予告ではないが、犯行予告を行った者が、実際に犯行を実施した事例は多数ある。
2000年5月に起きた「西鉄バスジャック事件」では、犯人がネット掲示板に犯行予告ととれる書き込みを行っている。
さらに、2008年6月の秋葉原通り魔事件でもネット掲示板で予告が行われている。
2019年7月に発生した京都アニメーション放火殺人事件では、事件の前に同一のIPアドレスから殺害予告が相次いでいたが、匿名化ツールが使われており、死刑判決を受けた被告との関係は裏づけられなかったが、その関連を指摘する声もある。
最近の爆破予告は、その予告内容から前述の事件のように「必ずやる」という強い意志が感じられないものが多い。最近でも爆破予告が相次ぐ中で、我々社会もオオカミ少年のようにその報道に随分慣れてしまっている部分があるが、実際に切迫性のある爆破予告がなされた際、我々は真剣に避難行動がとれるだろうか。
爆破予告に対する基本的な心構え
爆破予告に対しては“本物である”という心構えで十分警戒し、備え、厳格に対処しなければならない。
官公庁や教育現場でも危機管理マニュアル上、爆破予告に対処するフローが整備されているが、基本的に、前述の実際に犯行が行われた事件を教訓とし、“いたずらだ”と軽く認識しないことが極めて重要だ。
しかし、すべてが“本物“と仮定して避難行動をとることは組織の活動に大きな支障をきたすため、それもナンセンスである。
爆破予告が、いたずらか否か見極める脅威評価の指標として、
・犯行予告の具体性(標的、場所など)
・匿名か否か(氏名や団体名を名乗っているか)
・要求の有無(金銭的要求など)
・予告に関連する事象の有無、連続性
といったものが挙げられるが、結論としては、原則通り、整備された危機管理マニュアルに沿って関係機関と速やかに連携して対処すべきであることは言うまでもない。
日頃の備えとして重要な訓練
危機管理マニュアルが整備されていても、そのフロー通りに動けない可能性もあるため、以下の点に注意して訓練しなければならない。
・行動/避難基準、対応要領を定め、全職員に周知させる。
・爆破予告を受けうる全職員に対し、爆破予告への対応要領を周知し、訓練を行う。
・電話対応の場合は、犯人のなまりや周辺の音などの留意するべきポイントがある。
・実際の避難時に混乱しないよう避難訓練を反復実施する。
・パニック状態なると、人的および物的損害の可能性が飛躍的に高まる。