553 - 一般カタルーニャ人 (sage) 2020/12/25(金) 00:04:21.14 ID:rBXdwye50
本拠地、小菅で迎えた最高裁裁判
先発上祐が大量弁論、弁護も勢いを見せず惨敗だった
裁判所に響く信者のため息、どこからか聞こえる「今年は死刑執行だな」の声
無言で帰り始める在家信者達の中、オウムの尊師麻原は独りベンチで泣いていた
上九一色で手にした栄冠、喜び、感動、そして何より信頼できる信者・・・
それを今の小菅で得ることは殆ど不可能と言ってよかった
「どうすりゃいいんだ・・・」麻原は悔し涙を流し続けた
どれくらい経ったろうか、麻原ははっと目覚めた
どうやら泣き疲れて眠ってしまったようだ、冷たい獄中の感覚が現実に引き戻した
「やれやれ、帰って修行をしなくちゃな」麻原は苦笑しながら呟いた
立ち上がって伸びをした時、麻原はふと気付いた
「あれ・・・?信者がいる・・・?」
サティアンから飛び出した麻原が目にしたのは、外野席まで埋めつくさんばかりの信者だった
千切れそうなほどに旗が振られ、地鳴りのように尊師マーチが響いていた
どういうことか分からずに呆然とする麻原の背中に、聞き覚えのある声が聞こえてきた
「グル、修行だ、早く行きましょう」声の方に振り返った麻原は目を疑った
「え・・・遠藤?」 「なんだグル、居眠りでもしてたのですか?」
「む・・・村井?」 「なんだ尊師、かってに村井さんを暗殺させやがって」
「石井さん・・・」 麻原は半分パニックになりながら名簿を見上げた
大蔵省:石井 外務省:上祐 自治省:新実 科学技術省:村井 厚生省:遠藤 治療省:林 法務省:青山 文部省:杉浦 諜報省 :井上
暫時、唖然としていた麻原だったが、全てを理解した時、もはや彼の心には雲ひとつ無かった
「勝てる・・・勝てるんだ!」
土谷からサリンを受け取り、グラウンドへ空中浮遊する麻原、その目に光る涙は悔しさとは無縁のものだった・・・
翌日、ベンチで冷たくなっている麻原が発見され、吉村と村田は病院内で静かに息を引き取った