新路線開拓省 (1001)

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676 - 一般カタルーニャ人 2021/11/26(金) 22:19:18.01 ID:+yNqg96L0

aiべりすと路線
aiべりすとを活用し小説を書く

司法試験合格発表日。奇しくもその日は厚史の命日だった。僕は弟の遺影を手に掲示される法務省へと向かった。僕の受験番号は40298

ついに貼り出された。
40○98
一瞬喜び
40198
地獄へ叩き落された
40205
40226
20人以上落ちた。不安な気持ちが過ぎった
「今年も無理だろう」
40233
40250
「弟に何と報告しようか」
40261
40278
「ごめんな厚史。弱い兄貴で」
その時だった、声をかけられたのだ。
「兄貴!」
振り向くとそこには厚史がいた。
「え?厚史?」
「うん。そうだよ。久しぶりだね」
「お前……死んだんじゃなかったのよ!?」
「そんなことより見ろよ掲示。俺は今日弁護士の弟になったんだぞ」
40298。紛れもなく僕の番号だった。
「厚史…」
思わず厚史を抱きしめていた。僕は号泣した
「ありがとう厚史……」
顔を上げたら厚史に似た法務省職員だった。僕の気持ちを察したのか「おめでとう」とのみ言って立ち去った。遺影を見たらいつもより若干微笑んだ厚史がいた
「僕頑張るよ」
合格はゴールじゃない。弟の無念を胸に刻みあんな悲しいことが二度と起きない「優しい社会」を作る僕の戦いが今日始まった