88 - 一般カタルーニャ人 (sage) 2021/09/09(木) 12:35:21.00 ID:x7L9IWzB0
ひとつの光子が緩やかにカーブする巨大な血管を滑らかにドライブしている。
誰かと競い合う訳でもなく、ただ一本の道路の上でタイヤをすり減らす事に身をやつして。
その金属の図体の内部には大きな海を持っている。
その海は、常に蒸発し続けて内部の世界に複雑な気候変化をもたらしているが、
定期的に河川から大量の水が流れ込んでくるため、干上がる事は無い。
勿論、生態系だってある。
その海の蒸発と流入のリズムに合わせて海の生き物達は、
産卵、孵化、成長、交尾を繰り返しているのだろう。
蒸発した海水は気体となり、その一部は空間にぽっかり開いたワームホールに
吸い込まれて行く。(ちなみに、このワームホールはここの海域を飛ぶ飛行機を
吸い込むこともあるから、この海域は行方不明多発の魔の海域と人々に恐れら
れているんだ。)
ワームホールに吸い込まれた蒸気は、哀れな事に別の次元に飛ばされてしまう。