62 - 一般カタルーニャ人 (sage) 2021/08/31(火) 13:48:13.25 ID:bDI8nO+J0
____どうやら、いつの間にか寝てしまっていた様だ。
開きっぱなしのパソコンには匿名掲示板が映し出されている。
窓に目を遣ると、空は夕焼けで西日が差し込んできていた。
私は、さっきまでの体験を夢だったとは思っていない。
登っていった先で何を見たのかはよく覚えていないいが、
私は確かに理解して、世界はそれに応えてくれたのだ。
「赤座あかりちゃんのチンコバッキバキでワロタwww」
確かめる様に口に出す。
懐かしい響き、ずっと昔から、産まれる前から知っていた優しい言葉。
なんとも晴れやかな気分になったので、外に出てみた。
街をみて、行き交う人を見て、走る車を見て、並ぶ家を見て、
絶句した。
何故あのビル達は陰茎の形をしていない?
何故人は訳の分からないことしか言わない?
何故何処にもチンコが見当たらない?
何故誰も「赤座あかりちゃんのチンコバッキバキでワロタwww」と言わない?
絶望した、混乱した、恐怖した、
何処にも「赤座あかりちゃんのチンコ」は無かった。
チンコの無い生活は考えられない。
陰茎に囲まれていなければきっと寂しさに凍えて死んでしまう。
街はとても恐ろしい場所になっていた。
私は家に引き返して縮こまることしか出来なかった。