176 - 核撃てば尊師 2013/03/25(月) 21:06:30 ID:fpvLWKM.0
「──なぜ、こんなことになったんだ。」
続々と送られてくる出会い系スパムメールを処理しつつ唐澤貴洋はひとりごちた。
父に与えられたこの21.60?の核シェルター仕様の自分の事務所。
以前所属していた血なまぐさい法律事務所とは違う、自分だけの事務所。
名義上は父との共有事務所だが、彼がここにいることは殆ど無い。
仕事中にアイドルのTwitterを見ていても、ニコニコ動画でアニメを見ていても誰にも文句を言われない。
今から思えばそんなつまらないことで叱責してくるような人間のいる事務所なんて辞めて正解だった。
──なのにアイツ、『長谷川亮太』のせいで!!!
唐澤貴洋は日光によって若干色あせた木製デスクから
冷たい金属ケースを取り出すと、それに付いているスイッチを押した。
「……。なんJ民、さよならナリよ……。」
それは自爆装置。自分だけの事務所を守るための自爆装置。何人も立ち入れない不可侵領域。